顎関節症の症状とは?〜8つのサインと見分け方を解説

「口を開けるとカクカク音がする」「顎が痛くて食事がつらい」・・・

こんな症状に悩んでいませんか。

顎関節症は、顎の痛み・口の開けにくさ・関節の音といった症状が現れる病気です。放置すると頭痛や肩こりなど全身の不調につながることもあるため、早めの対処が重要になります。

今回は、顎関節症の代表的な8つのサインと、見分け方のポイントをわかりやすく解説します。

顎関節症とは?〜まず知っておきたい基本

顎関節症は、顎関節やそれを動かす筋肉に痛みや動きの制限が生じる病気です。

顎関節は耳の穴の少し前に位置し、下顎骨の「下顎頭」と側頭骨の「側頭腔」、その間に挟まれた「ディスク」と呼ばれる軟骨から構成されています。咀嚼・嚥下・会話といった日常動作で生じるストレスを分散させる重要な役割を果たしているため、負担が蓄積すると症状が現れやすくなります。

一生のうち、2人に1人は何らかの症状を経験するとされるほど身近な病気です。特に20代から50代の女性に多く、男性の2〜8倍の発症率という報告もあります。

ほとんどの場合、症状は一時的でセルフケアや対症療法で改善します。ただし、中には難治化するケースもあるため、早期の気づきと適切な対応が大切です。

顎関節症の8つの代表的な症状

顎関節症には、いくつかの特徴的なサインがあります。

以下の8つの症状に当てはまるものがあれば、顎関節症の可能性を考えてみてください。

1. 顎が痛い(顎関節痛)

顎関節やその周辺に痛みが出ます。

片方だけの場合もあれば、両方に痛みを感じることもあります。特に口を開けたときや硬いものを噛んだときに痛みが強くなるのが特徴です。

2. 口を大きく開けられない(開口障害)

人差し指から薬指までの指3本を縦に並べて口に入れられない場合、開口障害の可能性があります。

最大開口域が35mm未満になると、日常生活に支障が出やすくなります。

3. 口を開けるとカクカク・ゴリゴリ音がする(関節雑音)

口を開け閉めするときに、耳の前で「カクッ」「ゴリッ」といった音が鳴ります。

これは関節円板のズレや関節の変形によって生じる音です。痛みを伴わない場合もありますが、放置すると症状が悪化することがあります。

4. 顎がロッキングする(顎のロック)

突然、口が開かなくなったり閉じなくなったりする状態です。

関節円板が完全にズレてしまい、顎の動きが制限されることで起こります。この状態になると、日常生活に大きな支障が出るため、早急な対処が必要です。

5. 顎関節を押すと痛い(圧痛)

耳の前の顎関節部分を指で押すと、痛みを感じます。

炎症が起きている証拠であり、顎関節症の診断において重要なサインの一つです。

6. 硬いものを噛むと痛みが出る

バゲットやせんべいなど硬い食べ物を噛んだときに、顎関節に痛みや音が生じます。

咀嚼筋や顎関節に負担がかかることで症状が現れやすくなります。

7. 頭痛や肩こりが続く

顎関節症が原因で、頭痛や肩こりといった全身症状が現れることがあります。

顎の筋肉の緊張が首や肩の筋肉にも波及し、慢性的な不調につながる場合があります。

8. 噛み合わせの違和感

「噛み合わせがずれている気がする」「上下の歯がうまく合わない」といった違和感を覚えることがあります。

顎関節のズレや筋肉のバランス異常が原因で、噛み合わせに変化が生じることがあります。

顎関節症の4つの病態分類

顎関節症は、症状の原因によって大きく4つのタイプに分類されます。

それぞれの特徴を理解することで、適切な治療法を選択しやすくなります。

I型:咀嚼筋障害

顎を動かす筋肉(咀嚼筋)に痛みや緊張が生じるタイプです。

ストレスや歯ぎしり、食いしばりなどが原因で筋肉に負担がかかり、痛みや開口障害が現れます。顎関節症の中でも比較的多く見られるタイプです。

II型:関節包・靭帯障害

顎関節を包む関節包や靭帯に炎症や損傷が起きるタイプです。

外傷やストレスが原因で、顎関節周辺に痛みや腫れが生じます。

III型:関節円板障害

関節円板(ディスク)がズレることで、口を開けるときに音が鳴ったり、開口障害が起きたりするタイプです。

顎関節症で最も多く見られる病態の一つで、放置すると症状が悪化しやすいため注意が必要です。

IV型:変形性顎関節症

顎関節の骨が変形し、痛みや動きの制限が生じるタイプです。

長期間の負担や加齢によって骨の変形が進むことがあり、治療が難しくなる場合があります。

顎関節症の主な原因〜なぜ発症するのか

顎関節症の原因は一つに特定できないことがほとんどです。

いくつかの要因が複合的に関与して発症すると考えられています。

TCH(上下の歯の接触癖)

TCH(Tooth Contacting Habit)とは、日中に無意識に上下の歯を接触させる癖のことです。

通常、上下の歯が接触する時間は1日20分未満とされていますが、顎関節症の患者さんの8割以上にこの癖が見られます。長時間の接触が顎関節に負担をかけ、症状を引き起こす最大の要因と考えられています。

日常の習慣

頬杖をつく、ガムを噛む、爪を噛む、片方の歯だけで噛む、猫背などの習慣も顎関節に負担をかけます。

特にスマホやタブレット、PCを長時間見る際の不良姿勢は、無意識に上下の歯を接触させる原因になります。

夜間の歯ぎしり・食いしばり

睡眠中の歯ぎしりや食いしばりは、顎関節や筋肉に大きな負担をかけます。

ストレスが原因で無意識に行われることが多く、マウスピースなどで対策することが有効です。

精神的ストレス

ストレスや緊張が続くと、筋肉の緊張や歯の接触が増え、顎関節症のリスクが高まります。

また、ストレス自体が身体に炎症を起こすことも知られています。

外傷

転倒して顔を打った、顔をぶたれたなどの外傷がきっかけで顎関節症を発症することがあります。

特定のスポーツや楽器演奏

テニス、サッカー、ゴルフ、ラグビーなど強くかみしめるスポーツや、サックス・フルートなどの吹奏楽器の演奏は顎関節への負担が増えることが知られています。

顎関節症のセルフチェック〜受診の目安

以下の項目に当てはまるものがあれば、顎関節症の可能性があります。

  • 口を大きく開けたときに、耳の前で音がする
  • 口を開けると顎が痛い
  • 人差し指から薬指までの指3本が縦に入らない
  • 顎関節を押すと痛みがある
  • 硬いものを噛むと顎が痛む
  • 顎がロッキングして開け閉めが困難
  • 頭痛や肩こりが続いている
  • 噛み合わせに違和感がある

これらの症状が1週間以上続く場合は、歯科や口腔外科での受診をおすすめします。

特に以下のような場合は、早めに専門医に相談することが大切です。

  • 痛みが強く、日常生活に支障が出ている
  • 口が開かなくなった(ロッキング)
  • 症状が悪化している
  • セルフケアで改善しない

顎関節症の診断と治療の流れ

顎関節症の診断は、まず身体所見として口を開閉するときの動きや音、痛みの有無を確認します。

必要に応じてレントゲン、CT、MRIなどの画像検査を行い、顎関節の状態や関節円板のズレ、骨の変形などを詳しく調べます。

治療の基本方針

顎関節症の治療は、まず保存的治療(手術をしない治療)から始めるのが一般的です。

薬物療法、スプリント療法(マウスピース)、理学療法、カウンセリングなどを組み合わせて症状の改善を目指します。

主な治療法

薬物療法では、非ステロイド性消炎鎮痛剤や筋弛緩薬を使用して痛みや筋肉の緊張を和らげます。

スプリント療法では、マウスピースを装着して顎関節や筋肉への負担を軽減します。

理学療法では、顎の運動訓練、温熱療法、レーザー治療などを行い、筋肉の緊張をほぐします。

カウンセリングでは、ストレスの軽減やTCHの改善など、生活習慣の見直しをサポートします。

保存的治療で改善しない場合は、顎関節洗浄療法や関節鏡視下手術、開放手術などの外科的治療を検討することもあります。

出典日本補綴歯科学会「ガイドライン等/顎関節症に関するガイドライン」より作成

まとめ〜早めの気づきと対処が大切

顎関節症は、顎の痛み・口の開けにくさ・関節の音といった症状が特徴的な病気です。

放置すると頭痛や肩こりなど全身の不調につながることもあるため、早めの対処が重要になります。今回ご紹介した8つのサインに当てはまるものがあれば、まずはセルフチェックを行い、必要に応じて歯科や口腔外科を受診してください。

船橋駅直結の当院では、顎関節症の診断から治療まで幅広く対応しています。

気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

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口が開けづらい、音が鳴るなどの症状は原因が一つではないこともあります。初めての方も、症状の出る場面や期間を整理しながら相談しやすい予約導線です。

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次の一歩

顎関節症は痛みの強さだけでなく、開けにくさや音の有無も大切な手がかりです。受診前に症状の出る時間帯やきっかけを整理しておくと相談しやすくなります。

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監修医師

医療法人社団高志会 船橋あらき歯科・矯正歯科 院長 新木 志門

経歴

・日本歯科大学 生命歯学部 卒業

・東京医科歯科大学 第二総合診療科

・都内歯科医院 勤務

・医療法人輝翔会 西大津歯科医院 勤務

所属学会

・日本口腔インプラント学会 会員

・顎咬合学会 会員

・歯髄細胞バンク 認定医

船橋の歯医者|船橋あらき歯科

日付:   カテゴリ:歯科ブログ

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