噛み合わせが悪いとどうなる?〜8つの影響と対策法

噛み合わせの悪さが引き起こす8つの影響

噛み合わせの問題は、お口の中だけにとどまりません。

実は、全身の健康に大きく関わっていることが、近年の研究で明らかになっています。

「最近、頭痛や肩こりがひどくなった」「顎が痛くて口を開けにくい」といった症状に悩まされている方は、もしかすると噛み合わせの乱れが原因かもしれません。ここでは、噛み合わせが悪いことで引き起こされる8つの影響について、詳しく解説していきます。

1. 歯周病の進行

噛み合わせが悪いと、特定の歯に過度な負担がかかります。

人間の咬合力は非常に強く、本来はすべての歯で協力して力を分散しています。しかし、偏った噛み癖があるとバランスが崩れ、過度な負担を受ける歯が出てきます。過度な負担を受ける歯は、歯槽骨が支えきれなくなり、歯周病が進行し最終的に歯が抜けてしまうこともあります。

歯周病は歯を支えている骨が溶ける病気で、歯茎からの出血、腫れによる痛みの他、悪化すると歯が揺れ、進行すると歯が抜けることもあります。

2. 虫歯・歯根破折のリスク増加

噛み合わせのバランスが乱れていると、部分的に過度の力がかかります。

そこにある詰め物・被せ物などに負担がかかり、寿命が短くなります。「修理が必要になる」「土台の歯にダメージがおよんで抜歯になる」などのリスクを負うのです。歯を失うと補うためのインプラントや入れ歯などによる治療が必要になります。

また、強い力が継続的にかかることで、歯そのものにヒビが入ったり、歯根破折を起こしたりする可能性も高まります。

3. 顎関節症

「口を開けたり、閉めたりするときにあごが痛い」「口を動かすと”ガクガク””シャリシャリ”と音がなる」「口を大きく開けにくい」などの症状は顎関節症の疑いがあります。

10代半ばから30代くらいの女性に多く見られる顎関節症は、その原因の一つとして噛み合わせの乱れや歯ぎしりが挙げられます。

顎関節は、体の軸である背骨につながっていて、全身のバランスを取る際に大切な役割を果たしているほか、首から上の筋肉とも密接に関係しています。そのため、顎関節のバランスが乱れると、全身に悪影響が及び、さまざまな症状を引き起こすのです。

4. 頭痛・肩こり・首こり

噛み合わせが悪いと出る症状として、耳鳴り・難聴・めまいなどの耳症状、頭痛、首凝り・肩凝り、背中の痛み、四十肩・五十肩、腰痛、坐骨神経痛、膝痛など、体の至るところに症状が出る場合があります。

こうした噛み合わせが悪いことで起こる全身症状を総称して「咬合関連症」と呼びます。

噛み合わせのバランスが乱れていると、全身のバランスにも影響をおよぼします。その結果、全身の各部位に負担がかかるので、頭痛や肩こり、首こり、背中の痛み腰痛などさまざまな気になる症状が現れることがあります。

5. 耳の症状(耳鳴り・難聴・めまい)

近年は耳の症状を訴えて噛み合わせを診てほしいと来院するケースがとても増えています。

体の不調と噛み合わせの関連は医科でも注視されていて、耳鼻咽喉科や整形外科などからの紹介も増えているそうです。噛み合わせの悪化によって聴力が低下することもあるため、聴力測定を行うことで、客観的データとして噛み合わせの状態を把握することができます。

6. 歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは歯やあごにとても強い力がかかるので、歯がすり減ったり、ヒビが入ったり、噛み合わせが乱れるリスクを負います。

また、噛み合わせの乱れが歯ぎしり・食いしばりを引き起こし、それがさらに噛み合わせを悪化させるという悪循環に陥ることもあります。

7. 歯の摩耗・歯頚部の欠損

噛み合わせが悪いと、特定の歯に強い力が集中します。

その結果、歯の表面が摩耗したり、歯の根元(歯頚部)が欠損したりすることがあります。これは、過度な負荷がかかる歯に注目してみれば、虫歯や歯周病になりやすくなるだけでなく、歯そのものの構造にもダメージを与えるためです。

8. ストレスの蓄積と精神的影響

噛み合わせが乱れていると、うまく噛めないので気づかないうちにストレスがかかることがあります。

また、全身のバランスがくずれやすいので、それもストレスになります。知らないうちにストレスが蓄積して、それがさらにさまざまな不定愁訴につながる危険性が否めません。不安・イライラ・気鬱といった精神的な症状も、噛み合わせの乱れと関連している可能性があります。

噛み合わせが悪くなる主な原因

噛み合わせの悪化には、さまざまな原因があります。

日常生活の中で無意識に続けてしまうクセや、歯の欠損を放置することなどが、噛み合わせを乱す大きな要因となります。ここでは、噛み合わせが悪くなる主な原因について、詳しく見ていきましょう。

偏った噛み癖

一番の原因は「偏った噛み癖」です。

人間の咬合力は非常に強いため、本来はすべての歯で協力して力を分散しています。すべての歯でバランス良く噛めていれば均等に力を分散できますが、偏った噛み癖があるとバランスが崩れ、過度な負担を受ける歯が出てきます。

悪い歯を放置していると、偏った噛み方をするのでさらに噛み合わせが悪くなるという悪循環にも陥ります。

日常的なクセ(頬杖・爪を噛む・舌癖)

歯は弱い力をかけ続けると動く性質があるので、毎日無意識に続けてしまうクセによって、歯並びや噛み合わせが乱れてしまうことがあります。

とくに成長期のお子さんは、あごの骨がやわらかいので注意が必要です。

頬杖をつくクセがあると、成人の頭の重さ(体重の1割ほど)が歯やあごの骨にかかり、歯並びや噛み合わせに影響します。爪を噛むくせがあると歯や歯ぐきに負担がかかり、前歯の歯並びや噛み合わせに悪影響を与えやすいので注意しましょう。舌癖(舌で前歯を押したり、舌を出すクセ)があると、前歯が突出したり、開咬になったりして歯並びや噛み合わせが乱れるリスクが高まります。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは歯やあごにとても強い力がかかるので、歯がすり減ったり、ヒビが入ったり、噛み合わせが乱れるリスクを負います。

また、歯ぎしり・食いしばりも噛み合わせに影響を与えますので注意してください。

歯の欠損・虫歯の放置

抜けた歯や虫歯などを放置しておくと、噛み合わせが悪くなります。

歯が抜けたまま、被せ物が取れたままにしておくと、周囲の歯が移動したり、噛み合わせのバランスが崩れたりします。このように抜けた歯や虫歯などを放置しておくと、噛み合わせが悪くなります。

口呼吸

口呼吸は、舌の位置や顎の発育に影響を与え、噛み合わせの乱れにつながることがあります。

本来、舌は上顎に軽く触れている状態が正常ですが、口呼吸をしていると舌の位置が下がり、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼす可能性があります。

間違った噛み合わせの調整

残念なことに歯科治療が新たな噛み合わせの問題を作ってしまっている場合もあり、咬合力のコントロールが適切でなければ、更なるトラブルの原因を作ってしまいます。

従来日本で行われてきた「患者さんと医師の感覚」に頼るだけの噛み合わせ調整ではなく、咬合理論に基づいた方法が重要です。

噛み合わせの改善方法と対策

噛み合わせの問題を改善するためには、適切な診断と治療が必要です。

当院では、患者さんお一人お一人の状態に合わせた治療法をご提案しています。ここでは、噛み合わせの改善方法と日常生活でできる対策について解説します。

歯科医院での専門的な診断と治療

適切な診断のためには、噛み合わせが悪い時に出る口腔内症状と全身症状を調べ、客観的データとして見ていく必要があります。

まず口腔内では歯周病検査を行います。歯周病の進行度合い、ポケットの深さを調べ、噛みすぎている箇所を診断します。そのほか、全身症状に関しては聴力測定を行います。というのも噛み合わせの悪化によって聴力が低下することもあるからです。さらに首の可動域、腕の上げ下げなど、体のバランスのチェックも行います。顎関節や周囲の筋肉などの触診も含め、状態を把握していきます。

まずは、バランスの良い「噛み方」をめざしていきます。噛み合わせ治療のゴールは「すべての歯でバランス良く噛めるようにすること」です。抜けている歯・悪い歯があり、偏った噛み方をしている場合は、その治療を行い、バランス良く噛めるような口腔内環境をめざします。

マウスピースによる治療

歯並びに加え、顎の痛みなどの自覚症状や、患者さんご自身が今の状態をどう感じているかなどを含む問診と、実際にお顔や肩、鎖骨などの筋肉に触れながら、噛み合わせの位置のずれや筋肉の緊張などを見極めていきます。

そうする中で体のバランスが取れることが見込める噛み合わせの位置を見極め、それに合わせた上下固定式のマウスピースを作製します。マウスピースは1日45分を目安に装着していただきます。患者さんによって期間は異なりますが、痛みなどの症状の改善が見込めるまで3ヵ月から半年ほど使用し、ずれが大きい場合は矯正治療を行い、定期的なメンテナンスで経過をしっかりと診ていきます。

筋肉へのアプローチ(マッサージ・ストレッチ)

治療時には患者さんご自身では行いにくい筋肉をほぐすマッサージなどを行っていますが、ご自宅などでは壁に手をついて体をひねったりなどの、ごく一般的で軽いストレッチ運動をしていただくようお伝えしています。

マウスピースを装着するときもウォーキングやストレッチなどをしていると効果が望みやすい傾向にありますから、ぜひ日常生活に取り入れていただきたいですね。

矯正治療

長年の偏った「噛み癖」を直すため、患者さんにも正しい噛み方の練習をしていただきます。

噛み合わせが良くなれば、歯周病・顎関節症の改善にもつながります。噛み合わせは全身症状とも関連します。耳鳴り・難聴・めまい等の耳症状や、肩凝り・頭痛などの全身症状を把握しながら、噛み合わせに関するデータとして治療に活用します。

日常生活での予防策

人間は「食べる」ことで栄養を摂取していますため、どうしても口の周りには負荷がかかります。

加えて現代ではパソコンやスマホで首や肩に負担がかかることが増え、そこに頬づえなどの癖が加わるとより姿勢や噛み合わせ、筋肉にも影響が出てしまうと理解することも大切です。

頬杖や噛み癖など、日常的に何気なく行っている癖が、咀嚼による力のバランスを乱し、噛み合わせのバランスを悪くする場合があります。数ミクロンのズレが少しずつ大きくなって、さまざまな悪影響を及ぼすのです。

子どもの噛み合わせ予防〜成長期からのケア

成長期の子どもの生活習慣は全身の健康とともに、お口まわり、とくに噛み合わせにも大きく影響します。

そのため、お子さんの成長を見守る親御さんの意識がとても大切です。将来の健康も左右するお子さんの歯並びや噛み合わせをすこやかに導くために、いくつかのポイントに注意しましょう。

3歳〜小学校低学年までの食事について

歯がデコボコに生えている状態を叢生(そうせい)といい、代表的な歯並びは八重歯です。

「乱杭歯」とも呼ばれる叢生のお子さんが増えています。そして叢生のお子さんの多くがテーブルで食事の際に両足が床についていないそうです。イスに座って食事をするときは、電話帳や台などを足元に置いて足が床につく状態にしましょう。3〜4ヵ月続けるだけで歯並び・噛み合わせがよくなるケースが報告されています。

「縦型の抱っこヒモ」には要注意

「抱っこヒモ」は一般的に縦型と横型に分かれます。

縦型の「抱っこヒモ」は、まだ首が据わっていない乳幼児を抱っこするときに使うと、脊髄を圧迫して歯並びや噛み合わせに悪影響をおよぼすことがあるといわれています。そのため、お口まわりのすこやかな成長を考えるなら横型の「抱っこヒモ」がおすすめです。

噛む運動で歯並びを改善

現代人は前歯で噛み切る回数が減っているので、前歯の歯周組織が弱っているという報告があります。

前歯で噛み切る必要がある食事を毎日つくるのは大変ですので、前歯を鍛える方法を活用してください。それがゴムチューブで歯を鍛える健康法です。ホームセンターなどでゴムチューブを買い、1cmくらいに切って、1日3分噛む運動をしましょう。それだけで歯並びが改善されることがあります。

船橋あらき歯科・矯正歯科の噛み合わせ治療

当院では、患者さんお一人お一人の噛み合わせの状態を丁寧に診査・診断し、最適な治療法をご提案しています。

噛み合わせは、歯や歯を支える歯周組織、頭部〜顎〜首にかけての咀嚼筋群、顎関節など多くの組織が関係していて、これらの調和のとれた働きによって、はじめて快適で安定した長期にわたって健康な状態を維持できる咬合、つまりは顎口腔系のシステムが構成されます。

本当の噛み合わせは、歯と歯の接触を診るだけではわかりません。噛み合わせは、多くの組織と関連しているため、顎が安定している位置(中心位)を基準とし、噛み合わせを調整することが必要になります。

歯は一生涯付き合うパートナーです。現状の改善だけではなく、将来を見据えた治療のために、適切な咬合の診査・診断が行える医師のもとで治療を受けることを強くお勧めします。

定期的な噛み合わせチェックの重要性

予防歯科と言えば、医院でのクリーニングをイメージする人も多いかと思いますが、それは本質的なものではありません。

虫歯や歯周病などの原因である細菌(プラーク)のコントロールを軸に、リスクファクターとなり得る噛み合わせの状態をチェックし、適切な状態を維持することが大切です。

定期的なメンテナンスで経過をしっかりと診ていくことで、噛み合わせの問題を早期に発見し、適切に対処することができます。

まとめ

噛み合わせの悪さは、お口の中だけでなく、全身の健康に大きく影響します。

歯周病・虫歯・顎関節症といった口腔内の問題から、頭痛・肩こり・耳鳴り・めまいなどの全身症状まで、さまざまな影響が出る可能性があります。

噛み合わせが悪くなる原因は、偏った噛み癖・日常的なクセ・歯ぎしり・食いしばり・歯の欠損の放置など、さまざまです。これらの原因を理解し、日常生活の中で意識的に改善していくことが大切です。

また、成長期のお子さんの場合は、食事の姿勢や抱っこヒモの選び方など、親御さんの意識が将来の歯並びや噛み合わせに大きく影響します。

噛み合わせの問題を改善するためには、専門的な診断と治療が必要です。当院では、客観的なデータに基づいた診査・診断を行い、患者さんお一人お一人に合わせた治療法をご提案しています。マウスピース治療・筋肉へのアプローチ・矯正治療など、さまざまな方法を組み合わせて、バランスの良い噛み合わせをめざします。

「噛み合わせに違和感がある」「顎が痛い」「頭痛や肩こりが続いている」といった症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

定期的な噛み合わせチェックで、お口と全身の健康を守っていきましょう。

船橋あらき歯科・矯正歯科では、噛み合わせの相談・予約を随時受け付けています。お気軽にお問い合わせください。

噛み合わせの違和感がある方へ

噛みにくさや一部だけ当たる感覚は、歯や顎への負担につながることがあります。初診では気になる症状の流れや期間を整理しながら相談しやすい導線です。

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監修医師

医療法人社団高志会 船橋あらき歯科・矯正歯科 院長 新木 志門

経歴

・日本歯科大学 生命歯学部 卒業

・東京医科歯科大学 第二総合診療科

・都内歯科医院 勤務

・医療法人輝翔会 西大津歯科医院 勤務

所属学会

・日本口腔インプラント学会 会員

・顎咬合学会 会員

・歯髄細胞バンク 認定医

船橋の歯医者|船橋あらき歯科

日付:   カテゴリ:歯科ブログ

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