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ダイレクトボンディングは痛い?治療中・治療後の痛みと対策を解説

ダイレクトボンディングの痛みについて、よくご質問をいただきます
「ダイレクトボンディングって、痛いんですか?」
こうしたご質問を、診療の場でよくいただきます。歯を削らずに美しく整えられる治療として注目されているダイレクトボンディングですが、痛みに対する不安から一歩を踏み出せない方も少なくありません。
実は、ダイレクトボンディングは麻酔を使用するため、治療中の痛みはほとんどありません。ただし、治療後に一時的な知覚過敏が生じるケースや、虫歯の深さによって痛みが出やすい状況もあります。
この記事では、船橋あらき歯科・矯正歯科の院長として、ダイレクトボンディングの痛みについて正確な情報をお伝えします。治療中の痛み、治療後の痛み、そして当院が実践している痛みへの配慮まで、詳しく解説していきます。

ダイレクトボンディングとは?基本を理解しておきましょう
痛みについて詳しく説明する前に、ダイレクトボンディングがどのような治療なのか、基本を押さえておきましょう。
歯に直接、樹脂を盛り付ける治療法です
ダイレクトボンディングは、歯の表面にハイブリッドタイプのコンポジットレジン(セラミックの粒子を細かく組み込んだ歯科用プラスチック)を直接接着させ、虫歯で失われた歯の形や色を整える治療法です。
保険診療で行われる従来のコンポジットレジン充填と基本的な原理は同じですが、使用する材料の質と施術の精密さが大きく異なります。
型取りが不要で、1回で治療が完了します
通常1回の治療で完了し、1歯あたりの施術時間は30分〜1時間程度です。型取りをせずにお口の中で直接、接着技術を用いて歯を修復するため、治療回数が少なく済むのが特徴です。
前歯の症例では、施術前に簡単な型取りをして理想とする歯の形を模型上でシミュレーションを行ったうえで、その形どおりに施術していく場合もあります。この場合は2回の通院が必要になることもあります。
どんな症例に適用できるのでしょうか
ダイレクトボンディングが適用できる主な症例は以下のとおりです。
- 虫歯治療(小臼歯や前歯の比較的小さい虫歯)
- 前歯のすき間(すきっ歯)の改善
- 銀歯の詰め物を白くする
- 歯の形や大きさの調整
- 軽度に歯が欠けたときの修復
- ホワイトニングで改善しにくい変色歯の補正
ダイレクトボンディングの最大の利点は、歯をほとんど削ることなく天然の歯のような形や色調を再現できることです。従来のように歯の被せ物を必要とせずに、さまざまな治療に用いることができます。
治療中の痛みはどうなのか?麻酔の使用について

治療中の痛みについて、最も気になるポイントをお答えします。
局所麻酔を行うので、痛みはありません
ダイレクトボンディング治療では、局所麻酔を行うため、治療中の痛みはほとんどありません。虫歯を除去する際や、歯の表面を少し削る際に痛みを感じないよう、しっかりと麻酔をかけてから処置を進めます。
麻酔の注射自体が苦手な方もいらっしゃいますが、当院では表面麻酔を使用したり、細い針を使用したりすることで、注射時の痛みも最小限に抑える工夫をしています。
ラバーダム防湿を使用するため、うがいができません
ただし、お口の中で直接施術(直接的に形と色を調整して接着ボンディング)していくため、唾液による汚染や湿度の高さを遮断する目的でラバーダム防湿という手法を用いるため、充填処置が終了するまでうがいはできません。
ラバーダム防湿は、治療する歯だけを露出させ、他の部分をゴムのシートで覆う方法です。接着力を最大限発揮させるために必要不可欠な処置ですが、慣れないうちは少し息苦しさを感じる方もいらっしゃいます。
拡大視野での治療で、削る量を最小限に
当院では拡大視野(マイクロスコープや拡大鏡)で治療を行いますので、虫歯以外のところは極力削らないように治療できます。そのため相対的に痛みが出にくくなります。
肉眼では見えないところが見えるようになるので、経験や勘での処置をする必要がなくなり、確実性が増し、削る量は必要最小限で済むのです。
治療後の痛みについて|知覚過敏が起こることがあります

治療が終わった後、どのような痛みが出る可能性があるのでしょうか。
虫歯が深い場合は、術後に痛みが出る場合もあります
虫歯が深い場合は術後に痛みが出る場合もありますが、ほとんどの場合数日で症状が落ち着きます。神経を部分的に切断している場合は、3ヶ月ほど様子をみて問題がなければ大丈夫でしょう。
これは、虫歯を除去した際に神経に近い部分まで削る必要があった場合に起こりやすい現象です。神経が刺激を受けて一時的に敏感になっているため、冷たいものや熱いものがしみることがあります。
知覚過敏のような症状が出ることがあります
治療後、特に冷たいものを飲んだときに「キーン」とした痛みを感じることがあります。これは知覚過敏と呼ばれる症状で、歯の表面を削ったことで一時的に神経が敏感になっているためです。
多くの場合、数日から2週間程度で自然に治まります。ただし、症状が強い場合や長引く場合は、知覚過敏用の歯磨き粉を使用したり、再度受診していただいて薬を塗布したりすることもあります。
噛んだときに違和感を感じることもあります
治療直後は、噛み合わせの調整が完全でない場合、噛んだときに違和感を感じることがあります。これは、ダイレクトボンディングで盛り付けた樹脂の高さが、わずかに高くなっている可能性があるためです。
当院では治療後に噛み合わせのチェックを行いますが、麻酔が効いている状態では正確な噛み合わせの感覚がわかりにくいこともあります。もし違和感が続く場合は、遠慮なくご連絡ください。調整は数分で終わります。
痛みが出やすいケースとは?事前に知っておきたいポイント
すべてのケースで痛みが出るわけではありません。痛みが出やすい状況を事前に知っておくことで、心の準備ができます。
虫歯が深く、神経に近い場合
虫歯が深く、神経に近い部分まで削る必要がある場合は、治療後に痛みが出やすくなります。神経を残すために慎重に治療を進めますが、神経が刺激を受けて一時的に敏感になることがあります。
このような場合、事前に「治療後に痛みが出る可能性がある」ことをお伝えし、痛み止めを処方することもあります。
歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方
歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方は、治療後にダイレクトボンディングの部分に強い力がかかり、痛みを感じることがあります。また、樹脂が欠けたり、外れたりするリスクも高くなります。
このような場合は、マウスピースの使用をお勧めすることがあります。夜間に装着することで、歯ぎしりや食いしばりから歯を守ることができます。
広範囲な修復を行った場合
広範囲な修復を行った場合、複数の歯に対して治療を行った場合は、治療後に痛みや違和感を感じやすくなります。これは、お口の中の環境が大きく変わるためです。
ただし、ダイレクトボンディングは広範囲な修復には向いていない場合もあります。形を正確に作ることが難しい場合や、大きな力がかかる部位、範囲などは、別の修復法(セラミックの被せ物など)をお勧めすることもあります。
船橋あらき歯科が実践する、痛みへの配慮

当院では、患者さまの痛みや不安を最小限に抑えるため、さまざまな工夫を行っています。
表面麻酔と細い針で、注射の痛みを軽減
麻酔の注射自体が苦手な方も多いため、当院では表面麻酔を使用しています。歯ぐきの表面に麻酔のジェルを塗ることで、注射針を刺すときの痛みを和らげます。
また、できるだけ細い針を使用し、ゆっくりと麻酔液を注入することで、注射時の痛みを最小限に抑えています。
拡大視野での精密な治療
当院では、マイクロスコープや拡大鏡を使用した拡大視野での治療を行っています。これにより、虫歯の部分だけを正確に削り取り、健康な歯質を最大限に残すことができます。
削る量が少なければ少ないほど、治療後の痛みも出にくくなります。
ラバーダム防湿で確実な接着を
ラバーダム防湿は、少し息苦しさを感じる方もいらっしゃいますが、接着を確実に行うには必要不可欠です。湿度をコントロールすることで、水分を遮断し、長持ちする治療を実現します。
慣れない方には、事前に説明を行い、不安を軽減するよう努めています。
治療後のフォローアップ
治療後に痛みや違和感が出た場合は、遠慮なくご連絡ください。症例によっては後日チェックにいらっしゃっていただいたときに研磨を再度行うようにしています。
また、知覚過敏の症状が強い場合は、知覚過敏用の薬を塗布したり、痛み止めを処方したりすることもあります。
痛みを最小限に抑えるために、患者さまができること
痛みを最小限に抑えるために、患者さまご自身でできることもあります。
治療前に不安や疑問を伝えてください
治療前に、痛みに対する不安や疑問があれば、遠慮なくお伝えください。患者さまの不安を理解し、それに応じた対応を行うことが、私たちの役割です。
例えば、「麻酔の注射が苦手」「以前の治療で痛みを感じた」といった情報を共有していただくことで、より丁寧な対応が可能になります。
治療後は、刺激の強い飲食物を避けましょう
治療後数日間は、極端に冷たいものや熱いもの、酸味の強いものなど、刺激の強い飲食物を避けることをお勧めします。神経が敏感になっている状態では、こうした刺激が痛みを引き起こすことがあります。
歯ぎしりや食いしばりの自覚がある方は、マウスピースの使用を
歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方は、治療後にマウスピースを使用することで、ダイレクトボンディングの部分を保護できます。夜間に装着するだけで、歯への負担を大きく軽減できます。
定期的なメンテナンスを受けましょう
ダイレクトボンディングの耐久性は、患者さまのブラッシングの程度や噛み合わせの状態、歯ぎしりの有無などにもよりますが、適切にケアを行えば10年以上の長期間保たれることが多いです。
定期的なメンテナンスを受けることで、ダイレクトボンディングの状態をチェックし、必要に応じて研磨や修正を行うことができます。
まとめ|ダイレクトボンディングの痛みは、適切な対応で最小限に
ダイレクトボンディングは、麻酔を使用するため治療中の痛みはほとんどありません。ただし、虫歯が深い場合や歯ぎしりの習慣がある方は、治療後に一時的な痛みや知覚過敏が出ることがあります。
当院では、表面麻酔や細い針の使用、拡大視野での精密な治療、ラバーダム防湿による確実な接着など、痛みを最小限に抑えるためのさまざまな工夫を行っています。
痛みに対する不安がある方は、遠慮なくご相談ください。患者さま一人ひとりの状況に合わせて、最適な治療方法をご提案いたします。
ダイレクトボンディングは、歯をほとんど削らずに美しく整えられる、患者さまに優しい治療法です。痛みへの不安から一歩を踏み出せずにいる方も、まずはお気軽にご相談ください。
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監修医師
医療法人社団高志会 船橋あらき歯科・矯正歯科 院長 新木 志門

経歴
・日本歯科大学 生命歯学部 卒業
・東京医科歯科大学 第二総合診療科
・都内歯科医院 勤務
・医療法人輝翔会 西大津歯科医院 勤務
所属学会
・日本口腔インプラント学会 会員
・顎咬合学会 会員
・歯髄細胞バンク 認定医

